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自宅で亡くなった家の相続は?売却手続きと税金の流れを解説

不動産コラム

自宅で家族が亡くなったあと、その家を相続したものの、何から手を付けてよいか分からず不安を抱えている方は少なくありません。
相続の手続きや名義変更をしないまま時間だけが過ぎると、売却が進められないだけでなく、思わぬ税金やトラブルにつながるおそれもあります。
一方で、正しい流れとポイントを押さえれば、自宅で亡くなった物件でも、相続から売却までを落ち着いて進めていくことができます。
そこで本記事では、自宅で亡くなった物件を相続した方に向けて、相続と名義変更の基本から、売却手続きの流れ、税金や3,000万円特別控除の考え方、注意すべきリスクと対処法までを分かりやすく解説します。
今まさに対応に悩んでいる方が、一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。

自宅で亡くなった場合の相続と名義変更の基本

ご自宅で家族が亡くなられたときは、その瞬間に法律上の相続が開始し、被相続人の財産や負債が相続人に承継されます。
誰が相続人になるかは、民法の定める配偶者・子・父母・兄弟姉妹などの順位と組合せで決まり、それぞれに法定相続分が割り当てられます。
自宅の持分についても、現金や預貯金と同様に、この法定相続分や遺言の内容に従って、相続人ごとの持分割合が決まります。
まずは戸籍の収集などを通じて、相続人の範囲と自宅の持分の考え方を整理することが大切です。

もっとも、自宅の登記名義が亡くなった方のままでは、原則として売却や担保設定などの取引を進めることはできません。
不動産の権利関係は、不動産登記法に基づき登記簿で公示されるため、売買契約の相手方や金融機関は、登記名義人と実際の所有者が一致していることを重視します。
相続により所有権を取得した場合は、民法に基づく権利変動を、不動産登記の名義変更(相続登記)によって第三者にも分かる形にしておく必要があります。
そのため、自宅を将来売却する予定がある場合は、早めに相続登記を行うことが重要になります。

令和6年(2024年)4月からは、不動産を相続で取得した相続人に、相続登記の申請義務が課されました。
相続により土地や建物の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しないと、正当な理由がない場合には10万円以下の過料の対象となることがあります。
また、施行日前に開始した相続で未登記のまま残っているものについても、原則として一定の猶予期間内に相続登記を行うことが求められています。
自宅を相続した方は、相続人の確定や遺産分割協議の見通しが立った段階で、できるだけ早く相続登記の準備を始めることが望ましいです。

項目 概要 自宅相続人の留意点
相続開始 死亡時に自動的に発生 相続人と法定相続分の確認
名義変更 相続登記で所有者を公示 売却前に登記名義の整理
申請期限 取得を知った日から3年 過料回避へ早期手続き

自宅で亡くなった物件を相続した人の売却手続きの流れ

自宅でご家族が亡くなった場合でも、売却に進むためには、まず誰が相続人となるのかを正確に確定する必要があります。
戸籍謄本などを取り寄せて法定相続人の範囲を確認し、そのうえで自宅を含む遺産全体をどのように分けるか話し合うことが大切です。
この話し合いが遺産分割協議であり、合意した内容は「誰がどの財産を取得するか」を明確にした遺産分割協議書にまとめます。
遺産分割協議書は相続登記や売却手続きの際に重要な書類となるため、署名・押印、日付、相続人全員分の記載漏れがないよう注意が必要です。

遺産分割協議と協議書の作成が終わったら、不動産の名義を相続人に変更する相続登記の手続きに進みます。
相続登記には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書などが必要になります。
登記申請は法務局に対して行い、書類に不備がなければ、おおむね数週間から数か月程度で完了するのが一般的な流れです。
なお、相続登記の申請義務化により、相続が開始したことを知った日からおおむね3年以内に申請が必要となっているため、売却を検討していなくても早めに相続登記を済ませることが重要です。

相続登記が完了して自宅の名義が相続人に変更されて初めて、売買契約や引渡しといった具体的な売却手続きに進むことができます。
売買契約の日程や条件を調整し、契約締結後は残代金の支払い日までに抵当権抹消など必要な準備を整え、決済と同時に鍵や関係書類を引き渡します。
この間の全体的なスケジュール感としては、相続人間の協議期間や登記の混雑状況にもよりますが、相続開始から売却代金の受け取りまで数か月から1年前後を見込んでおくと安心です。
また、売却後の税金の申告期限も関係してくるため、相続手続きと売却の時期を見通しながら、余裕のある予定を立てて進めることが大切です。

段階 主な内容 おおよその期間
相続人の確定 戸籍収集と相続人調査 数週間程度
遺産分割協議 分け方協議と書面作成 数週間〜数か月
相続登記と売却 名義変更と契約決済 数か月〜1年

自宅で亡くなった物件を売却する際の税金と3,000万円特例

自宅でご家族が亡くなり、その自宅を相続して売却する場合には、関係する税金を整理して理解しておくことが大切です。
まず、被相続人の財産全体に対して相続税がかかる可能性があり、基礎控除額を超えるかどうかが一つの判断材料になります。
そのうえで、自宅を所有している間には毎年固定資産税が課され、相続人が納税義務を負うことになります。
さらに、自宅を売却したときには、売却益が出た場合に譲渡所得税がかかる仕組みのため、取得費や諸経費を含めた計算方法を把握しておくことが重要です。

相続税については、課税対象となる遺産総額から基礎控除額や各種の控除を差し引いて計算され、申告・納税期限は原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から数えて10か月以内とされています。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、相続登記が済んでいなくても、相続人が実質的な負担者となる取扱いが示されています。
自宅売却時にかかる譲渡所得税は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得を基に、所有期間に応じた税率が適用される仕組みです。
このように、相続から売却まで複数の税金が関わるため、それぞれの発生時期と申告期限を意識して準備を進めることが大切です。

相続した自宅が空き家となり、その後に売却する場合には、「相続した空き家を売却した場合の3,000万円の特別控除」を利用できる可能性があります。
この特例は、一定の要件を満たす相続開始時点で被相続人の居住用であった家屋や、その取壊し後の土地を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる制度です。
適用を受けるには、耐震基準を満たすための工事や家屋の取壊しの有無、譲渡金額の上限、相続開始から譲渡までの期間など、細かな条件が国税庁の資料で定められています。
また、特例の適用を受けるためには、確定申告の際に必要な書類を整えて申告書とともに提出することが求められます。

税金の種類 主な対象場面 主な注意点
相続税 遺産全体への課税 相続開始後10か月以内申告
固定資産税 自宅を所有中 毎年1月1日の所有者課税
譲渡所得税 自宅売却時 売却益と特例適用確認

自宅で亡くなった物件を相続した人が注意すべきリスクと対処法

自宅で家族が亡くなったあと、その自宅を相続するかどうかは早まらずに判断することが大切です。
相続には、故人の財産だけでなく借金や滞納している税金などの負担も含まれる可能性があります。
相続放棄や限定承認などの制度を知っておくことで、思わぬ借金や維持費を抱え込むリスクを減らせます。
まずは、故人の財産と負債の全体像を把握し、自宅を含む相続全体を冷静に検討することが重要です。

また、自宅を複数人で共有相続した場合、売却や活用には共有者全員の同意が必要になることが一般的です。
誰か一人でも反対したり、連絡が取れない相続人がいたりすると、売却が進まないおそれがあります。
そのため、早い段階から相続人同士で情報を共有し、自宅をどう扱うかの方針を話し合っておくことが大切です。
感情的な対立を避けるためにも、話し合いの内容を文書で整理し、記録に残しておくと安心です。

さらに、自宅を空き家のまま長期間放置すると、固定資産税の負担が続くうえ、管理手間や老朽化によるリスクが高まります。
建物の傷みが進めば売却価格が下がる可能性があり、雑草や破損部分を放置すると近隣トラブルにつながることもあります。
また、自治体から改善指導を受けた場合、対応が不十分だと将来的に税負担が重くなる制度もあるため注意が必要です。
こうした負担やリスクを避けるためには、早期の売却や活用方法を検討し、計画的に対応することが望ましいです。

場面 主なリスク 基本的な対処法
借金がある可能性 返済義務を引き継ぐ危険 相続放棄や限定承認の検討
共有相続の自宅 売却同意が得られない事態 早期の話し合いと文書化
長期の空き家状態 固定資産税と老朽化負担 早期売却や活用方針の検討

まとめ

自宅で亡くなった物件を相続した場合は、感情的な負担に加え、相続登記や売却手続き、税金など検討すべきことが多くあります。
名義が亡くなった方のままでは原則として売却できず、相続人の確定や遺産分割協議、相続登記を順序良く進めることが重要です。
また、相続税や譲渡所得税、3,000万円特別控除などの制度を正しく理解し、期限内に手続きを行うことで、負担を抑えた売却も可能になります。
空き家化や管理負担、家族間トラブルといったリスクを避けるためにも、早めに専門知識を持つ不動産会社へ相談し、状況に合った売却プランを一緒に検討していきましょう。

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